大口町の自動車整備・販売店へ。AI導入の「順番」を間違えないために今日できる1つのこと
愛知県丹羽郡大口町。名神高速道路や国道41号線が交差する交通の要衝であり、多くのものづくり企業が集まるこの町には、地域の人々の移動を支える自動車整備工場や販売店が数多く点在しています。
総務省統計局「令和6年経済センサス‐基礎調査」確報(雇用者のいない個人経営の事業所を除く)によると、丹羽郡大口町の事業所数は849にのぼります。この活気ある大口町で、日夜、お客様の愛車と向き合い、地域のインフラを守り続けている経営者の皆様へ向けて、この記事を書いています。
私は、隣接する春日井市で6年間カーリース店を経営してきました。現在はその経験を活かし、大口町をはじめとする愛知県北部9市町の店舗へ直接足を運び、AI導入の伴走支援を行っています。同じ自動車業界に身を置く者として、皆様が日々直面している現場の忙しさや、人手不足の悩みは痛いほどよくわかります。
今、「AI」という言葉を耳にしない日はありません。しかし、実際の導入状況はどうでしょうか。
中小企業基盤整備機構「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」(2026年3月・有効回答1,668社)によると、中小企業のAI導入率は20.4%(全社的3.6%+一部業務16.8%)に留まり、「導入予定はない」と答えた企業は61.0%を占めています。さらに、同調査で導入に踏み切れない理由として「現状で満足しており必要性を感じない」と答えた割合は、導入予定なし層で27.7%、検討中層で4.0%という結果が出ています。
日々の車検整備や一般修理、新車・中古車販売の業務が滞りなく回っていれば、「わざわざ新しい技術を入れる必要はない」と感じるのも無理はありません。しかし、心のどこかで「このままで良いのだろうか」という不安を抱えている方も少なくないはずです。
その不安の背景には、具体的な使い方が見えないという現実があります。総務省「令和7年版 情報通信白書」図表I-1-2-15(日本 n=515)によると、「効果的な活用方法がわからない」と回答した割合は日本が30.1%に達しており、米国の9.7%と比べても、活用方法のイメージが湧かずに立ち止まっている日本の現状が浮き彫りになっています。
では、何から始めればよいのでしょうか。
自動車整備・販売におけるAI導入の「順番」とは
自動車整備・販売におけるAI導入の「順番」とは、新しいシステムやツールを導入する前に、自社が日常的に行っている顧客対応や作業手順のなかで、どの部分に最も時間や労力がかかっているかを棚卸しし、整理するプロセスのことです。
多くの経営者が、まず「どのソフトを買えばいいのか」という道具選びから考えてしまいます。しかし、これは工具箱にどんな最新のレンチを入れるかを、修理する車が決まる前に悩むようなものです。
大切なのは道具の選定ではなく、順番です。
まずは、自社の業務のなかで「手作業で時間がかかっている部分」や「毎回同じ説明を繰り返している作業」を特定することから始まります。例えば、車検を控えたお客様への案内文の作成、中古車の仕入れ時に登録する車両状態のテキスト作成、あるいはWebサイトからの問い合わせに対する初期返答の文面作成など、具体的な作業のなかにこそ、AIが力を発揮するポイントが隠されています。
一人で考え続けた末に、AIを相棒として相談しはじめた。答えを出してもらうのではなく、自分の店だけが持つ強みを一つずつ言語化していった。ランウィズは、その個人的な記録から始まった。
(公式HP「はじめに」より)
自社の強みや、日頃から大切にしているお客様への姿勢を言葉に落とし込むこと。これこそが、技術を導入する前に行うべき本当の第一歩です。
お店の業種を私が覚えるのではありません。効く勘所だけを抜き出して、積み上げていきます。「教えてください」とは言わない。あなたの現場知識と、私のAI。掛け合わせて、あなたの店だけの仕組みをつくります。
(代表 佐藤の考え)
大口町の整備工場や販売店には、それぞれ長年培ってきた地域密着の信頼や、独自の技術力があります。それを無視して、世間で流行しているテンプレートをそのまま当てはめても、お客様に響く仕組みはつくれません。皆様が現場で培ってきた知識やこだわりと、客観的な整理を得意とするAIを組み合わせることで、初めて自社に馴染む道具へと変化します。
今日、大口町の事務所でできる最初の一歩は、パソコンを開いて新しいツールを検索することではありません。
「今週、自分が一番時間を取られた、または面倒だと感じた事務作業は何か」を、ノートや手帳に1つだけ書き出してみることです。
車検の見積もりをお客様に説明するための準備かもしれませんし、代車の手配に関する社内の連絡かもしれません。その具体的な「1つの作業」を自覚することこそが、順番の始まりです。まずはそこから、始めてみませんか。
出典
本文中の数字は、次の公的統計にもとづいています。
- 総務省統計局「令和6年経済センサス‐基礎調査」確報(雇用者のいない個人経営の事業所を除く)
www.stat.go.jp で見る - 中小企業基盤整備機構「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」2026年3月(有効回答1,668社)
www.smrj.go.jp の報告書(PDF) - 総務省「令和7年版 情報通信白書」図表I-1-2-15(日本 n=515)
www.soumu.go.jp で見る
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