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清須市の整備工場・自動車販売店が「使われないAI」を避け、今日から始める最初の一歩

清須市の自動車産業を支える現場の現状

総務省統計局「令和6年経済センサス‐基礎調査」確報(雇用者のいない個人経営の事業所を除く)によると、清須市の事業所数は2,555となっています。このなかには、地域の足である自動車を支える整備工場や自動車販売店が数多く含まれています。清須市は名古屋市に隣接し、交通の要所でもあることから、自動車の需要が非常に高い地域です。

私自身、愛知県春日井市で6年間にわたりカーリース店を経営してきました。同じ愛知県北部で、日々お客様の車に向き合い、地域のモビリティを支える経営者の皆様の苦労や喜びは、身をもって理解しているつもりです。現在は、その経験を活かし、愛知県北部9市町の店舗へ直接訪問して、AI導入を伴走支援する活動を行っています。

日々、現場を回るなかで感じるのは、「AI」という言葉だけが独り歩きし、現場の負担を増やす道具になってしまっているのではないか、という懸念です。

なぜ「AIは必要ない」と感じるのか

中小企業基盤整備機構「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」(2026年3月・有効回答1,668社)によると、中小企業のAI導入率は20.4%(全社的3.6%+一部業務16.8%)に留まり、「導入予定はない」と答えた企業は61.0%にのぼります。

さらに同調査において、AI導入に踏み切れない理由として「現状で満足しており必要性を感じない」と答えた割合は、導入予定なし層で27.7%、検討中層で4.0%となっています。

毎日、車検や一般整備の予定が詰まり、事故車の対応や引き取り、顧客からの電話対応に追われる整備工場の経営者にとって、「現状の業務で手一杯であり、これ以上新しいシステムを入れて覚える時間などない」と感じるのは当然の反応です。今のやり方で業務が回っているのであれば、あえてリスクを冒してまで未知の道具を入れる必要性を感じないのも不思議ではありません。

しかし、本当に今のままで、将来にわたる人手不足や、大手の資本力による情報発信の波に対抗し続けられるでしょうか。

効果的な活用方法が見えないという壁

もう一つの大きな課題は、具体的な使い道が見えないことです。

総務省「令和7年版 情報通信白書」図表I-1-2-15(日本 n=515)によると、「効果的な活用方法がわからない」と答えた割合は、日本が30.1%であるのに対し、米国は9.7%となっています。この日米の差は顕著であり、日本の多くの経営者が「AIという便利なものがあることは知っているが、自社のどの作業にどう使えばいいのかがイメージできない」状態にあることを示しています。

「ChatGPTを使えば業務が楽になる」と聞いて試してみたものの、何を質問していいかわからず、結局「明日の天気は?」と聞いて終わり、そのまま使わなくなってしまったという声をよく耳にします。

これは、経営者のITリテラシーが低いからではありません。導入の順番を間違えているからです。

整備工場におけるAI導入の正しい順番とは

ここで、私たちが立ち返るべき定義を明確にしておきます。

整備工場におけるAI導入の正しい順番とは、新しいツールを購入する前に、自社の毎日の作業手順を紙に書き出し、どの作業に時間がかかっているかを可視化することです。

多くの人は、まず「どのAIツールが良いか」「どのシステムが便利か」という道具の比較から始めてしまいます。しかし、自社の課題が明確になっていない状態で道具を入れても、現場は混乱するだけです。

初回の店舗訪問では、道具の話をする前に、実際の業務フローを見せてもらう。そのうえで、何をAIに任せられるかを一緒に選ぶ。順番を逆にすると、入れたのに使われないまま止まる。

(公式HP「来店伴走の流れ」より)

例えば、車検の案内文の作成、ホームページのブログ更新、顧客へのサンキューメールの作成、あるいは新車の見積書作成の補助など、私たちが毎日パソコンに向かってキーボードを叩いている「言葉を作る作業」は、AIが最も得意とする分野です。

これらの作業フローを可視化し、「このハガキの文面を考えるのに、毎回30分悩んでいる」というボトルネックを見つけ出すことこそが、導入の前提条件となります。

今日からできる、たった一つの最初の一歩

清須市の整備工場・自動車販売店の経営者の皆様に、今日、最初の第一歩として取り組んでいただきたいことがあります。それは、高価なAIソフトを調べることでも、パソコン教室に通うことでもありません。

「今日、自分がパソコンやデスクに向かって行った事務作業を、ノートに1つずつ書き出すこと」

これだけを、今日の夕方、仕事を終える前の5分間で行ってみてください。

このように、自分が「言葉を考えて書いた作業」をリストアップするのです。これらが、将来的にAIに任せられる可能性のある「候補リスト」になります。

道具を入れるのは、このリストができてからです。順番さえ間違えなければ、AIはあなたの右腕として、現場の負担を軽減する強力な味方になります。

私がこの伴走支援を通じて実現したいのは、単なる業務の効率化ではありません。

やりたいのは、実力がそのまま届く世界に変えることです。AIで、個人店に「大手と同じ届ける力」を持たせる。それが会社の旗です。

(代表 佐藤の考え)

清須市で長年、地域のお客様に信頼され、実直に技術を提供し続けている個人店や中小の整備工場が、大手の宣伝力や資金力に負けることなく、その素晴らしい技術とサービスを地域に届け続ける。そのための「武器」としてAIを役立てていただきたいのです。

まずは今日、手元のノートに、今日の作業を書き出すことから始めてみませんか。その一歩が、数ヶ月後の店舗の景色を大きく変えるきっかけになります。

出典

本文中の数字は、次の公的統計にもとづいています。